tsubukoの本のある毎日

本を読むだけで一日がウフフとなる読書好きが綴る読書と暮らしの記録です。

シンプルに自然と調和しながら生きることの素晴らしさが詰まっている「カオハガンからの贈りもの」

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■崎山克彦『カオハガンからの贈りもの』

 

フィリピンにある小さな島「カオハガン島」。お金やモノではない本当の豊かさとは何か…?その答えはカオハガン島の青い海、広い空、生い茂る緑、一緒に暮らす住民たちみんなが教えてくれます。

 

 ある日、突然気がついたことがあるのです。砂の上についている島民のはだしの足跡と私の足跡が、かなり違っているのです。

 島民の足跡は、五つの足の指の跡が、はっきり、くっきりと砂に刻まれているのです。指の部分が、かなりの深さに砂に埋まっています。それは、とても力強い足跡です。…(中略)…島民は足の裏全体で大地に接し、五本の指で大地をつかまえて歩いているのです。…(中略)…はだしで歩くと、それははっきりと伝わってきます。「大地の上を歩いているんだ」ということがはっきりと理解できるのです。

 崎山克彦『カオハガンからの贈りもの』p66,67

 

☆カオハガン島ってこんなトコロ…

http://www.caohagan.com/

 

いつか訪ねたい場所がまた1つ増えました。

 

カオハガンからの贈りもの

カオハガンからの贈りもの

 

 

元野球少年の冴えない2人がヒーローに見えてくる!東北で巻き起こる冒険ストーリー「キャプテンサンダーボルト」

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阿部和重伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』

映画を見終わった後のような充実感を味わえる作品。

最近なんかうまくいかないな…っていう時に読むと、どんなことにも逆転はあるなって勇気をもらえるはず。

 

元野球少年の相葉時之と井ノ原悠という2人が主人公。

久しぶりに再会したこの2人はお金に困っていてどちらかというと全然格好良くない2人で…。

でも、一つずつ謎を解いて困難を乗り越えて行くうちに格好良く見えてくるから不思議。

 

合作小説ということなので、交互に書いていく形式なのかと思いきや、二人の文章が見事に混ざり合っていました。

小説を読み終わった後に以下の阿部さん&伊坂さんの対談を読むと、改めてすごい小説だなぁ…と思わされました。

 

いちおう章ごとに担当は分かれています。その章ごとに順番で書いていったんですが、書き進めていくうちに、前に戻ってお互いに書いたことを書き直すような作業形態になっていきました。さらに最終的には、まず伊坂さんが全体を直して、次に僕が全体を直すという。もう章の区切りも関係なくお互いがお互いの文章をいじり合うみたいなことになりましたので、掛け値なしに合作と言っていい小説になっていると思いますね。

阿部和重さん談

史上最強の完全合作! 阿部和重、伊坂幸太郎がそのすべてを語る 第3回 全体の文体は? 「合作」を突き詰める 『キャプテンサンダーボルト』 (阿部和重 伊坂幸太郎 著)|インタビュー・対談|杉江 松恋|本の話WEB

 

印象派の画家たちの見た景色が目に浮かぶ「ジヴェルニーの食卓」

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原田マハ『ジヴェルニーの食卓』

 

マティス、ドガ、セザンヌ、モネ…印象派を代表する画家4人の物語。

読んでいると画家たちの見た景色が目に浮かんできます。

 

スケッチに適した場所をセーヌ川沿いに探していて、偶然、ジヴェルニーに通りかかった。野性的ともいえるくらい手つかずの野原に、可憐に咲く花々。まっすぐに空へ伸びるポプラ並木、農民たちが牧場に作る積み藁。エプト川のせせらぎ、そこここに感じられる水の気配、ひなたのにおい。

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』p228

 

モネが好き

芸術にはどちらかというと疎いほうなのですが、モネの絵が好きです。

きっかけは、直島にある地中美術館で見た「睡蓮」。穏やかな色づかいにすっかり魅了され、去年は東京都美術館で開催されていたモネ展にも足を運びました。モネの作品を見ると不思議と心が洗われるような感覚になります。

いつかはフランスのジヴェルニーに行って、モネが愛した花や植物たちをこの目で見ることが夢!

 

※モネ展は現在、京都で開催中!

京都市美術館 > 展覧会案内 > マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで

  

この本をオススメしたい人

  • 絵を眺めるのが好きな人
  • フランスが好きな人
  • 別世界にタイムトリップしたい人

 

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

 

 

 

お弁当が物語る愛情の深さ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」

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渡辺俊美『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』

 

お父さんが高校生の息子のために作ったお弁当の記録。

お弁当に添えられたコメントやエピソードが本当にほほえましくて、息子さんへの愛情の深さがよく伝わってきます。

「これお父さんが作っているの!?」と思うくらい美味しそうなお弁当ばかり。

こだわりの食材や調味料、愛用のお弁当箱も紹介されていて、どれも息子さんを想って選んでいることが素晴らしいと思いました。 

 

お弁当を作ってもらっていたことへの感謝

この本を読んで思い出したのは、私の母も私が高校生の時に毎日お弁当を作ってくれていたなぁということ。

私もお弁当を通してたくさんの愛情をもらっていたはずなのに、毎日作ってくれることが当たり前のようになっていて、感謝の気持ちを伝えることがなかったなと反省しました。

毎日作ってくれるということだけでもすごく大変なことなのに…。

 

この本の最後には息子さんからお父さんへの感謝の気持ちが綴られています。

お父さんの愛情はきちんと息子さんにも伝わっていたんですね。

 

日々の愛情に感謝すること。

「ありがとう」の気持ちをきちんと伝えること。

そんなことをこの本から教えてもらったような気がします。

 

僕と息子の間に生まれた小さな「ありがとう」が他の人にも広がった。

僕と息子の心をつないだ「お弁当」で他の人ともつながったことが僕にとって最高の宝物になりました。

 渡辺俊美『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』あとがきより 

 

この本をオススメしたい人

  • お弁当を作っている人
  • お弁当を作ってもらっている人
  • 最近お弁当を食べてないなぁ…っていう人
  • 愛情のかたちを探している人
  • 親子関係に悩んでいる人

読んだらとにかく「お弁当を作りたい!」または「お弁当を食べたい!」と思うようになります。そして、もれなくお腹もすきます…。

 

 

461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

 

 

 

 

 

リスト化することで暮らしをコントロールする「ゆたかな人生が始まる シンプルリスト」

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■ドミニック・ローホー(笹根由恵=訳)『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』

 

自分の好きなモノ・コト、思い出、持ち物などをリスト化することで

自分の内面を見つめ直すことにつながります。

リスト化することで未知の自分に出会えたり、新たな目標が見つかるかも。

 

人生をシンプルにしたい人

自分を好きになりたい人

思い出を大切にしたい人

ささやかな喜びを見つけたい人

 本当に進むべき人生の道を見つけたい人

---------そんなすべての人へ捧げます。

 ドミニック・ローホー(笹根由恵=訳)『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』冒頭分より

 

私が実践したいリスト

本を読んで私がリスト化したいと思った内容はこちら。

一つ一つ考えるだけで新しい発見ができそうな予感。

 

  • 自分がなりたい人物像
  • 環境に優しい暮らしのための具体的な方法
  • 季節ごとの幸せ
  • 一日のなかで感じる幸せ
  • 幸運にも人生で出会えた素晴らしい人
  • 目を楽しませてくれるもの
  • 聞いて心地よい音

 

読んでいていちばん響いたのは「五感を磨くリスト」。

リスト化して感覚を磨くともっと生き生きと時を過ごすことができる。

五感をフルに使って日常を味わえる人になりたい。

きっと見逃している幸せがたくさんあるはず。

 

 

ゆたかな人生が始まる シンプルリスト (講談社+α文庫)

ゆたかな人生が始まる シンプルリスト (講談社+α文庫)

 

 

読むとほっこりする「レインコートを着た犬」

※うっかり最初に書いた記事を削除してしまったのでもう一度公開します…。

 

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吉田篤弘『レインコートを着た犬』

<月舟町>の映画館に住む犬ジャンゴが主人公のお話。

表紙のジャンゴの絵にまずやられました。か、かわいい…。

物語の中に出てくるジャンゴもかわいいです。ほっこりします。

 

静かな夜にあったかいコーヒーを飲みながら読みたい一冊。

 

同じ<月舟町>を舞台にした『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』もオススメ。

 

 

レインコートを着た犬

レインコートを着た犬